投与で歯周病の進行抑制
―間葉系幹細胞-
愛知学院大学歯学部の本田雅規教授と日本大学歯学部の井口慎也非常勤医員らは、間葉系幹細胞が歯周病の進行を抑えるのをマウスを使った実験で明らかにした。歯肉溝に糸を巻いて歯周病を発生させたマウスを用い、糸を巻いた同日に 糸を巻いた歯の周囲の歯肉に注射針で間葉系幹細胞を投与すると、歯槽骨破壊が有意に抑えられたというもの。
本研究で用いた間葉系幹細胞は、通法に従いマ ウスの大腿骨から採取し、数日間培養して増やした。間葉系幹細胞を、歯の近心の歯肉だけに投与 すると、近心側の歯槽骨破壊は抑制されたが、遠心側の歯槽骨は、細胞を投与しない時と同様に破壊された。
今回の研究では、歯肉に投与した間葉系幹細胞から分泌された因子が炎症を抑制しているのを明らかにした。