成長期の咀嚼、脳機能の発達に関係
-東医歯大ら研究グループが解明-
成長期の咀嚼が高次脳機能の発達に重要な役割を果たす可能性がある―。
東京医科歯科大学らの研究グループがマウスを使った実験で、咀嚼刺激の低下が神経活動やシナプス形成、神経栄養因子の発現に影響し、海馬の神経細胞の減少に関わり、記憶・学習機能障害を引き起こすのを突き止めた。
咀嚼と高次脳機能を結び付ける分子メカニズムの解明が進めば、記憶・学習機能障害や認知症の新規治療法・予防法の開発への応用が期待できる。
研究グループは、マウスに離乳期から成長期にかけて粉末飼料を与えて咀嚼刺激を低下させるモデルの分析を実施。
粉末飼料を与えた群は、通常の固形飼料を与えたマウスと比べて顎顔面の骨や噛むための筋肉の成長が抑制され、記憶・学習機能も顕著に障害されると判明した。
記憶・学習を司る脳領域、海馬を分析すると、マウスの神経活動やシナプス形成、脳由来神経栄養因子の発現が低下し、神経細胞の減少が明らかになった。
(6/27 日本歯科新聞より)