歯科技工士なり手不足
-厚労省、確保策を議論-
厚労省は5月に有識者検討会を立ち上げ、人材確保策を議論し始めた。同省歯科保健課は「日本社会の高齢化で歯のかぶせ物や詰め物などの需要増加が見込まれる人材が入らなければ、治療に影響が出かねない」と懸念する。
歯科技工士志望者の減少について、日本歯科技エ士会の杉岡範明会長は「技工士は患者と直接接する機会がまずない。存在が知られていない」と認知度の低さを訴える。認知度向上に向け、同会は17年度から、技工士の名前を書き込んだポスターを診療所に貼る取り組みを始めた。
労働環境の厳しさを指摘する声もある。歯科技工士の7割以上が「技工所」と呼ぶ作業所で働くが、大半は1人の個人経営で、複数の診療所などから依頼を受けてかぶせ物などを製作するケースが多い。検討会では「個人経営が中心のため長時間労働になり、診療所からの製作費用も抑えられがち」として待遇の改善を求める声が上がった。
有識者検討会は技工士に製作費用が適切に行き渡る仕組み作りや高校生などへのPRなど、人材確保策をとりまとめた報告書を年度内にまとめる方針だ。
(6/21 日本経済新聞より)