歯ぎしりはなぜ起こる?原因と悪影響について解説
「歯ぎしりを指摘されたが、思い当たるふしがない」
定期検診でこのような経験をした方も多いのではないでしょうか。歯ぎしりは睡眠中無意識に行われていることが多く、自分ではほとんど気づきません。しかし、放置すると歯や顎にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。そこで本記事では、歯ぎしりが起こる原因や種類、起こり得る悪影響について解説します。
歯ぎしりが起こる原因とは
歯ぎしりは、頬の筋肉(咬筋)に常に力が入ることで生じます。現在も原因は解明されていませんが、以下の要因が関連していると言われています。
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ストレス
歯ぎしりの原因の一つはストレスです。日常生活の中で感じるストレスを歯ぎしりで解消していると言われています。また、集中しているときは筋肉が反射的に緊張することで食いしばりが発生することもあります。歯ぎしりや食いしばりは複数の要因が絡み合って発生することが多いです。リラックスする時間を設けることで症状の緩和につながる可能性があります。
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悪いかみ合わせ
悪いかみ合わせは歯や顎に負荷がかかり、無意識のうちに歯ぎしりを促すことがあります。
詰め物や被せ物の高さが合っていないとかみ合わせが不自然になり、歯ぎしりを引き起こす可能性があります。もし虫歯治療後に歯ぎしりが始まった場合は、治療した歯の高さが原因である可能性が高いため調整が必要です。
また、歯並びが悪いことでかみ合わせが合わないことも歯ぎしりが生じる原因になります。このような場合、矯正治療を検討するのも一つの手です。歯並びが改善すれば正しくかみ合うようになり、歯ぎしりのリスクを減らせます。
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飲酒・喫煙
飲酒や喫煙は、直接歯ぎしりを引き起こすわけではありません。しかし、就寝前の飲酒や喫煙は睡眠の質の低下を招き、無意識に咬筋に力が入ってしまい、歯ぎしりを生じやすくします。
飲酒はリラックス効果がある一方で、適量を超えると睡眠の質を低下させてしまいます。また、タバコに含まれるニコチンは心拍数を上げ、眠りを浅くする作用があります。歯ぎしりが起こりやすくなるため、寝る前の喫煙は避けることが望ましいです。
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薬の副作用
不安やうつ症状をやわらげる抗うつ剤は気分を調整する作用がありますが、眠りを浅くする副作用があり、歯ぎしりを引き起こす可能性があります。副作用による歯ぎしりが気になる場合は、担当の医師に相談し、薬の種類や量の調整をしてもらいましょう。
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睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が一時的に止まる症状のことです。睡眠が浅くなるため、歯ぎしりをしやすくなります。
自覚症状が少ないため、気づかないことが多いです。しかし、昼間に強い眠気が生じたり集中力の低下が現れたりすることも。日常生活に影響を及ぼすだけでなく、運転中などの重大な事故につながる可能性があります。昼間の強い眠気や不調を感じる場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性を考慮し、医師に相談することが重要です。
歯ぎしりの種類について
歯ぎしりにはグライディング・クレンチング・タッピングの3つのタイプがあり、これらを総称して「ブラキシズム」と言います。
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グライディング
上下の歯を強く擦り合わせる歯ぎしりのことです。就寝時に多くみられ、ギリギリという音が出るのが特徴です。周囲の人もこの音に気づきやすいため、指摘されることがあります。
上下の歯が強く擦り合わされることで、歯がすり減ったり欠けたりすることがあります。就寝時に歯ぎしりの音に気づいたり、朝起きたときに歯や顎に痛みや違和感を覚えたりする場合は、歯科医師に相談しましょう。
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クレンチング
上下の歯を強く噛みしめる習慣のことです。日中に集中しているときやストレスを感じているときなどに無意識下で生じます。
クレンチングは自覚症状が少なく、音が出ないため本人や周囲の人も気づきにくいのが特徴です。長期にわたって行われると歯や顎に大きな負担をかけ、歯の損傷や顎関節症の原因になることがあります。
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タッピング
上下の歯をカチカチ噛む習慣のことです。グライディングやクレンチングと比べて発生頻度は少ないですが、歯の損傷を引き起こす可能性があります。
歯ぎしりは悪影響を引き起こす?
歯ぎしりや食いしばりは、その人の体重の5~15倍もの力が歯にかかります。そのため、以下のような悪影響が生じることがあります。
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歯の破損
歯ぎしりによってかかる力は、意識して噛むときよりもはるかに強いため、歯が欠けたり割れたりすることがあります。
特に、歯の先端が平らになっている場合は、長期にわたる歯ぎしりをしている可能性が高いです。最悪の場合、歯の根が割れてしまうこともあります。
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歯周病の悪化
歯ぎしりは歯ぐきにも負担がかかるため、歯周病の症状を悪化させる可能性があります。歯周病は、歯ぐきの炎症や歯を支える骨を溶かし、放置すると最終的に歯が抜け落ちてしまう恐ろしい病気です。
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顎関節症の発症
歯ぎしりによって顎関節に負担がかかると顎関節症を引き起こすことがあります。顎関節症は口を大きく開けることが難しくなったり、口を開ける際に顎に痛みを感じたりする症状のことです。悪化すると日常生活に影響を及ぼす可能性があります。
まとめ
歯ぎしりの原因はストレスや悪いかみ合わせなど、さまざまです。歯ぎしりの治療は、一般的にナイトガードの装着が行われます。就寝時に装着することで歯への負担を軽減できます。保険適用で作製できますので、歯ぎしりの兆候がある場合は無視せず、歯科医師に相談しましょう。